そこは彼となし

日記のようなもの

猫とクジラ 六.

 

 

そろそろ遠くへ行かなきゃならない、とクジラが言った。

 

クジラはいつもある季節になると、どこか遠くへ行ってしまう。どこへ行くのか、僕は知らない。

 

じゃあ少しの間、会えないね、と猫が言った。

 

そうだね、とクジラが目を閉じた。

 

 

僕がこの体じゃなかったら、君の見る景色を僕も知ることができるのになあ、と猫は思った。