そこは彼となし

日記のようなもの

猫とクジラ 五.

 

飼い主は朝に「おはよう」と声をかけるか、夕方または夜に頭をやさしく撫でるだけですぐに何処かへ行ってしまう。

 

「おはよう」という飼い主の声、頭を撫でる飼い主の手が好きであるのと同じく、飼い主が時々窓の外を見る、やさしい目が好きだった。

 

あの目と似ているな、と猫は思った。

 

 

少しばかり寒くなり、窓から射し込む明かりが床に落ちているところへ行って、眠っている。

 

飼い主が早く炬燵の準備をしないだろうか、と考えたりしたり。