そこは彼となし

日記のようなもの

猫とクジラ 四.

 

怖くはならないのかい、と猫が尋ねた。

 

ぼくは怖いことと安堵することの境目がわからないんだ、とクジラが答えた。

 

深い海へ潜る。

光の届く量は少なくなり、海が自ら動く音と、ひれで推した水の塊の音だけがする、暗く冷たい静かな海。

 

 

 

 

猫はクジラの目を見る。

 

いつもやさしい目をしているな、と猫は思った。